
良き時代の大映時代劇 - 悪大名の圧政・悪事などに我慢の我慢を重ねた民衆の怒り、悲しみ、祈りでついに降臨、大魔神登場までが引っ張って引っ張ってやっと終盤に大暴れして溜飲を下げるとゆう日本人好みのニクイ演出です。座頭市シリーズなどの大映時代劇の安田公義監督、三隈研次監督がメガホンを取り、音楽にはゴジラでお馴染みの伊福部昭が担当し重厚なBGMと相まって、本編や特撮シーンも含めスペクタクル映画の様な仕上がりに驚きます。魔神であり大自然の精霊の様な存在の大魔神の音楽には、土着的雰囲気の有る座頭市の音楽も担当しており、北海道生まれで民族音楽をベースにしていた伊福部節が実に良く合うと思います。例えはナンですが、ウルトラセブンの様に大人の鑑賞に堪えうる特撮作品として当時の映画職人によって実に真摯に作られていると感じます、この独特の風合いは今の時代の映像スタッフでは作りえないでしょう。
善悪定めがたし - 日本特撮映画の中でも カルト映画としての地位を誇る3部作だ。1966年の一年間に3作が製作され それで終わってしまったという点でも伝説的なシリーズだと思う。 時代劇を舞台として 欧州の伝説の巨人ゴーレムを題材とし 柳田國男といった民俗学を取り入れるという極めて野心的な作品だ。シリーズ3部作がすべて粒よりであるということ自体奇跡的であるのは 例えば スターウォーズやインディージョーンズの例を見ればすぐ分かると思う。しかも 前記の通り 3作を一年で製作したという集中力だ。 3作とも作風が違う。起用した監督と役者の違いと言ってしまえば簡単だが 3部作ともにそれぞれ見所が違うというのも そもそも大変な事である。 但し 敢えて共通しているとしたら 大魔神=善としていない点だ。大魔神は善悪両面を備えている。これは 明らかに 柳田國男あたりからの収穫であると思うし その複雑さが この映画達に 深みと独特のコクを与えている。 2008年に続編が製作されるともうわさされている。この作品の続編は 大変な事だと思う。CGで何とかできるような話ではない。もう一度 大魔神が表象しているもの、それを根っ子から捉えるという作業が 死活的に大事なのだと思う。
随所に昔のタレントが出ていて実に気持ちがいいです。 - マグマ大使の「ガム」でしたっけ、名前は分からないのですが、その彼が、1作と、3作に出ていました。マグマ大使の実写版が出来るまでは、この映像は貴重としか言いようがありません。やはり、私は、第1作の「大魔神」がいいですね。特にストーリーがしっかりしていて、藤巻潤、高田美和らの好演が見事に光っています。時代劇ということで、ガメラシリーズで見えていた軽薄感はここでは影をひそめて純粋に、焦点は大魔神がいかに活躍するのか、また、逆に暴走するのかに焦点が絞られて極めて見やすい構成になっています。 ああ、そうだ。この作品はもう40年も前の作品なんですね。私も、小学校に通っていまして、その途中に、大映映画専門の映画館がありましたが、残念なことに火事で焼けてしまいました。その感動を今再びと思うともう涙ものです。ネットで検索しましたら、なんと、来年、2008年にリメイクされるとのことです。楽しみです。頑張れ、大魔神。
映画館で観た時と同じ感動 - スクリーンでご覧になった方なら十分ご承知のことだが、昔の大映京都の映画には独特のトーンがある。本編も特撮も、その同じトーンで撮られているため、たとえば大魔神が石垣を壊すと城内で逃げ惑う雑兵たちが見え、背景にはマットアートの暗雲が立ち込めている、といったカットでも、合成が非常にきれい。特撮と本編の違和感が極めて少ない。光学合成の極致とも言える。このDVDでは、そのトーンが再現されているのだと思う。映画館で観た時と同じ感動を覚えた。撮影や美術のスタッフは、後々京都の重鎮として五社英雄監督作品等を支える事になる人々。それだけに、子供だましでない作りがなされているのは、今でも立派だと思う。
全64pの豪華解説書、お守りポストカードなど特典満載!しかし、映像特典が不十分!! - 大魔神封印匣 魔神降臨はコンポーネントデジタルニューマスターの画像優先の転送レートフォーマットを採用とのことですが・・・もちろん画質は良好ですが、この映像は好き嫌いが分かれると思います。TVの画質コントロールやDVDプレイヤーで画像を調整すれば問題はないのですが・・・オリジナルを劇場で見たわけではないので、何とも言えませんが、個人的な見解として少し変な画質(不自然な質感)だと感じました(画質が悪いという意味ではありません)。 映像特典はLD-BOX「大魔神 全集」に収録されていた静止画資料の一部が、このDVD-BOXには未収録でした。非常に残念だと思います。今後、未収録の資料が陽の目をみることは無いと思われますので「大魔神 全集」をお持ちの方は手放さない方が良いと思います。 このDVD3枚ともメニュー画面にCGの大魔神が現れるのですが、最悪の出来です。収録しない方が良いとさえ感じました。 この映画は北欧に伝わる伝説、ユダヤ人が創った偶像ゴーレム(偶像に悪霊が宿る)がモデルになっています。また、1936年公開の仏映画で「巨人ゴーレム」監督ジュリアン・デュビビエに影響を受けていると聞いたことがあります。阿羅羯磨(アラカツマ)=大魔神ですが、反対側から読むと「まつからあ(待つから~)・・・魔神の叫び」と大魔神が降臨するのが、物語の終盤だということを暗示しているように思えてなりません。スタッフの遊び心だったのでしょうか。 このBOXは箱も凝った作りになっていますし、豪華解説書、その他ポストカードなどもついて、お買い得だと思います。また、英字幕が収録されているので、特撮ファンの外国人と楽しむ事もできます。お勧めします!